すぽさん投資ぶろぐ

「成長、ビジネスモデル、割安」を軸にした中長期投資ブログ [Twitter @spo_toushi]


10.割安株ではなく、成長株

ブログの記事でしたが、成長株に関する考え方として重要なので、ウェブページにします。私がどんなことを考えて「割安株ではなく、成長株」を選んでいるかを改めてまとめます。

株にはランクがある
私がバリュー投資から成長株投資にシフトしていった大きな理由の一つが、「株式市場は企業の成長力によって、ランクが分かれている」と気づいたことです。これは私の感覚的なものですが、株のランクは概ね4つに別れていて SとCでは8倍ほど差があります。


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これらの差は株式が3~5年の業績を織り込んでいるという理論からある程度説明がつきます。例えば20%成長の株Sは、5年で2.5倍ぐらいに成長しますが、5%成長Aだと1.3倍程度にしか成長しません。これで概ね2倍の差になります。
この3~5年織り込んでいるというロジックを直接信頼しているわけではありませんが、とにかく「ランクがある(バラつきがある)」ことは間違いなく、これに気づいたことで戦略が変化しました。

Bの株だけ持つと地味な成長しかしない
株の評価がこれだけダイナミックに広がっていると理解すると、実は配当・ROEといった企業の成長を享受しているだけでは不十分だと気づきます。バリュー投資視点が強いとどうしてもBランクの株(PER10、配当5%ぐらい)を買いがちだと思います。
もちろんBランクかつ良い企業であれば、極めて安全に年5%の利益(株価横ばい)を得ることができるでしょう。しかし実は、一番パフォーマンスが上がるのは「ランクのズレが修正された時」で、これが起こると株価は2倍になるのです。で、あればバリューの視点を持ちつつ、この「ズレの修正」を目指そうと考えるようになったのです。

B⇒AよりもA⇒S
「ズレの修正」戦略を取る場合、主な戦略はB⇒A(Aの実力のBの株を持つ)か、A⇒S(Sの実力のAの株を持つ)の2つがあると思います。バリュー投資家の感覚ではB⇒A戦略の方が安全で良いように見えますが、私はA⇒S戦略の方が優秀だと思っています。
「ズレの修正」が起こるトリガーは一言でいえば「サプライズ」です。「あれ、この株すごくない?」そんな評価を受けると、株価は急上昇します。
実力がSの株は、普段の業績でさえ20%増益ですから、単なる業績発表ですらサプライズにみられがちです。またちょっとしたグッドニュースも、それのお陰で20%成長になったように見られたりします。つまりは全てのニュースがサプライズになりやすいのです。
ところが、実力A程度だと、業績を達成しても「まぁ頑張ったね」ぐらいに評価されてしまい、株価が動かないことが多く、2,3年増収増益を重ねてやっと市場にAランクだと認められるなんてことが普通です。
また、もう一点単純なメリットとして、企業成長力の視点もあります。Sの株は仮に「ズレの修正」がなかったとしても、20%成長します。Aの株なら5%しか成長しません。この差もバカにできません。
つまり、しっかりとした企業分析のもと「Sランク」であることがハッキリすれば、ズレの修正が無くても20%は成長、ちょっとしたサプライズで2倍になるのです。

Sになってもしばらく保有する
戦略がうまく行ってA⇒Sになった場合、すぐ売却するべきかは悩ましいところです。頭で考えるとSになった株を売却してまた同じ戦略をひこうと思ってしまいます。しかし実際にはA⇒Sといった株価に勢いがつくと、Sを越えてバブルレベルまで短期間で伸び、どの株よりも高いパフォーマンスを生み出すことが多いのです。
邱永漢さんの名言に「2倍になったら半分売ってあとはタダ株として保有しろ」というのがありますが、この現象を理解されているのだと思います。私もA⇒Sになったあとは、基本的にしばらく保有し続けることにしています。

成長に対する神経質さが求められる
成長株投資の際、一番怖いのは企業の成長の見立てを誤ることです。見立てに失敗すると株価が半分になります。ですので成長株投資の際には、バリュー投資よりも成長に対する神経質さが強く求められます。

バフェットさんは「グレアム8割、フィッシャー2割」と仰っていますが、私の投資スタンスも同じつもりです。成長、ビジネスモデル、割安。この考え方をベースにし、少しだけ成長に力点を置く。Sランクの株をAランクの価格で買う。そんな投資スタンスです。

09.その他のビジネスモデル

これまで紹介したビジネスモデルは自分で考えてまとめたものですし、まとめ方は人によって違うかもしれません。見つけられていないモデルや、1つの企業にしか通用しないというものもあると思います。

シェアを独占している企業や妙に利益率が高い企業には必ずその理由が存在します。それを一つ一つ考えていくことでその他のビジネスモデルを発見することができると思います。

私が感銘を受けた本はこの2冊です。
ぜひ一度読んでみてください。きっと企業をビジネスモデル視点で見るようになると思います。(2冊目はちょっと難解ですが・・)


08.ビジネスモデル④:トップシェア

ビジネスモデルの4つ目は「トップシェア」です。
これは正確には「モデル」とは違いますが、投資という視点では極めて重要な視点ですのでモデルとして整理しておきます。
業界シェアNo.1はその市場の王様であり、No.2以下とは全く違います

シェアNo.1であることのメリットはいろいろ語られていますが、大きくは3つではないでしょうか。

  • コスト効率面
  • 戦略面(同じことをするだけで他社との競争に勝てる)
  • 情報面

こういったメリットを享受するためには、No.2と一定以上のシェア差があることが必要です。シェアについては「ランチェスターの法則」とか「クープマン目標値」あたりで調べてもらうと良いと思いますが、No.2のルート3倍(1.73倍)以上の差があるとかなり優位になります。

コスト効率面では、ルート3倍売れると開発費・広告費など固定費(1個でも10,000個でも同じコストがかかるもの)の効率はルート3倍になります。No.2の企業の商品にかかる固定費が20%だとすると、No.1の企業は同じことをしても12%しかかからず、営業利益率にして8%の差になります。

また、戦略についてもNo.1だけは「同質化戦略」が使えます。No.2が目新しいことをしたらそれを真似すれだけで優位に立てます。先ほど話したようにコスト面での優位性に加え、ブランドイメージ、販売力、サポート力などでも優位性があります。真似すればよいということはムダなチャレンジをしないで済むという面もあります。

自動車業界No.1トヨタは、基本的にはこの同質化戦略をとっています。(ストリーム→ウィッシュなど)「リーダー/チャレンジャー/ニッチャー/フォロワー」あたりで調べてもらうと山ほど情報が出てきます。

そして、情報面の優位点です。「日本で2番目に高い山は記憶に残らない」という話がありますが、要するに他業界やお客様の基本的な認知はNo.1の企業です。ポテトチップスといえばカルビーですし、ケータイで何か始めようとしたら先ずドコモです。No.1は世の中からの認知がNo.2と大きくかけ離れており、提携話など情報はNo.1企業に集中します。

コスト面、戦略面、情報面。No.1が持つ優位性は極めて大きく、丁寧に企業運営を行えばこの立場が入れ替わることはほとんどありません。株を買う場合も業界No.1を選ぶことが基本です。

シェアの大切さを知ることが出来る本は山ほどありますが、私が学んだのは大前研一さんのこの本です。

07.ビジネスモデル③:地理的独占型

ビジネスモデルの3つ目は地理的独占型です。
お客さんにとっては、遠くにあるより近くがいいという単純な理由による独占です。

一番分かりやすく有名な例がコンビニです。
今でこそコンビニでも値下げは当たり前になりつつありますが、つい数年前まで(コンビニ登場以来30年ぐらい)コンビニといえば定価販売が当たり前でした。なぜそんなことができるのでしょうか。

コンビニの利点、もちろん細かく見ればいろいろありますが、一番大きいのは「欲しい物を一番近くで手に入れられる」ことに尽きます。遠くのスーパーより、近くのコンビニ。そんな単純なメリットがコンビニに価格決定権を与えています。このビジネスモデルにより感覚的には営業利益率が5~10%程度底上げする力があると思っています。(局地的にはもっと高い利益にもなりますが)
また、最近ではコンビニ同士の競争が激しくなりすぎて地理的独占は崩れつつあることも興味深いことです。地理的独占は他のビジネスモデルに比べると弱めのモデルだと言えます。

世の中に目を凝らすと、このモデルも色々見つけることができます。

  • 自動販売機(トップはコカ・コーラ、ダイドードリンコはこれ専門で利益率が高い)
  • 鉄道会社(線路は通常競争しません。一方飛行機は必ず競争します)
  • 山登りのジュース
  • カラオケの飲み物(これはアフタービジネス型と言えるかもしれません)

06.ビジネスモデル②:プラットフォーム型

二つ目のビジネスモデルは、プラットフォーム型です。
Webとの相性がいいので最近色々なところで耳にするようになりましたが、古くからあるビジネスモデルです。

過去の例で言うとベータとVHSの戦争が有名です。

ビデオカセットのベータとVHS、機能はベータのほうが上だと言われていましたが、ユーザー数がVHS優勢になると次第にレンタルビデオでもVHSしか扱わなくなり結局VHSの独り勝ちとなりました。ビデオカセットはその単独の機能よりも「やり取りできる人数」が最大価値だったのです。
そしてこのモデルの特徴的なところは、一度参加者に差が付き始めると、更なる参加者を呼び込み、それが更に価値を高めるというループに入り、最終的には1社独占状態になってしまうというところです。
そして独占状態になると価格決定権は企業側に移り、勝った側に大きな利益をもたらします。プラットフォームは生きるか死ぬかしかない極端なモデルなのです。

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このモデルもよくみると色々なところにあり、かなりの高収益(そのビジネスだけなら営業利益率20%以上)になります。他には以下のようなものがあります。

  • VHS(パナソニック)、ブルーレイ(ソニー)
  • Windows,MS Office(マイクロソフト)
  • ファミコン(任天堂),PS2(ソニー)
  • ヤフオク(ヤフー),タオバオ(中国アリババ)
  • ゼクシィ(リクルート)
  • リクルートエージェント
  • 楽天市場(楽天)
  • インフォマート

参考になった本はこれ。

05.ビジネスモデル①:アフタービジネス型

ビジネスモデルの中で一番メジャーなのが「アフタービジネス型」です。構造はシンプルで売る時だけではなく売った後も何らかの理由でお金をもらうモデルです。
有名なのはプリンターのインクです。プリンターの機械自体は実は赤字になるぐらい無理な値段設定ですが、裏腹にインク自体は極めて利益率が高くなっています。
ポイントは「なぜ、そんなに価格を高く出来るのか?」というところです。機械を買うときは通常の競争にさらされていますが、消耗品市場に目を落とすと、そこに競争が生まれていないことが分かります。競争が生まれていないということは、価格決定権が会社に移ります。つまり会社の最も都合の良い価格を設定することができるわけです。

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こういったビジネスを持っているところはほぼ例外なく利益率が高く、営業利益率が10%を超えるのが通常です。

  • プリンター(キヤノン、HPなど)
  • 携帯電話(ドコモ、KDDI、ソフトバンク)
  • エレベーター(東芝エレベータなど。上場企業は少なめ)
  • 給与ソフトなどサポート前提のソフト(オービック、弥生)
  • カラオケマシン(第一興商)
  • 会員制結婚紹介(ツヴァイなど)

企業レベルではありませんが、ノートPCのバッテリー、ひげ剃り機の替刃もこれに当たります。
どのビジネスモデルもそうですが、これは商品特性によって偶然発生するものであり、自力で生み出すことはなかなかできません。

04.優秀な企業の条件:「成長性」と「ビジネスモデル」

優秀な企業とは

優秀な企業を見つけ出す、これはなかなか厄介な作業です。
商品の魅力、市場環境、競合の状況、経営者の力量、社員の力、コスト体質・・・考え出すと何が大切なのかさっぱりわからなくなります。

僕なりにずっと答えを考え、そしてやっと出た結論は、邱永漢さんやバフェットさんが仰っている答えと同じでした。
企業の業績に最も影響を与えるのは、「経営者」よりも、「企業体質(社員)」よりも、「市場環境」と「ビジネスモデル(利益が出やすい仕組み)」です。

ちなみに、この二つの重要度でいうと「市場環境」>「ビジネスモデル」ですが、基本的には両方優秀である企業を選ぶことが重要です。

市場環境

市場環境の良し悪しを見極めるのはそんなに難しくありません。これまでの成長率の流れを見れば大体そのとおりになります。ニーズのトレンドはそんなに変わらないものです。
中国は伸びる、日本は横ばい。ITは伸びる。A社はこれまで15%ペースで5年伸びているから来年も10%以上伸びるだろう。そんな予測で十分であまり外れることもありません。
ですので売上が横ばいの業績の株。こんな株を5年持ってても大抵横ばいのままです。

ビジネスモデル

市場環境の次に重要なのはビジネスモデルです。僕が最も注目するのはここです。
市場がいくら上り調子でも競争が激しいと何の意味もありません。たとえば液晶テレビ、ここ10年ずっと市場は拡大し続けましたがどの企業もほとんど利益が出ていません。当たり前ですが伸びそうな市場はみんな飛び込んで値下げ合戦になるため、市場の成長を享受することはできないのです。
そう考えると世の中は、伸びる市場は競争で儲からない、伸びない市場はそもそも大して儲からないとなりどの株を買っても同じ事の様に感じてしまいます。
でも、実は様々な理由で「伸びるのに競争が少ない」という幸せな企業は確実に存在しており、その様々な理由のことを僕は「ビジネスモデル」と呼ぶのだと思っています。

また、このビジネスモデルを有する企業はごく一部の企業に限られており、上場企業の中でも5~10%程度といいうのが僕の見立てです。

参考:「成長する企業の条件」について

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アラフォー男です。中長期投資をしたいと思える人を増やすという野望をもとにブログを書きます。
ご連絡をされたい方は、下記メールアドレスまでお願いします。
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