国債残高が900兆円以上という危険水域に入って来ました。今後訪れるであろう日本国債の危機についてまとめておきます。

国内金融機関が借りてくれない時が最初の危機

まず、現状の確認からです。今の国債の最大の貸し手は国内金融機関です。ゆうちょ、民間銀行、保険会社、年金基金などを中心に国債の約80%を引き受けています。国内金融機関が国に貸しているお金は、国民の金融資産(預貯金・保険に)よるものですから、要するに

 日本国債 < 国民の金融資産

という関係の変化が極めて重要なポイントになります。現在、

 日本国債 900兆円 < 国民の(純)金融資産 1,100兆円

ですからから、単純に言えばあと3~4年ぐらいで、この不等号が逆になり、最大の国債の貸し手である国内金融機関のお金が尽き、最初の危機が訪れます。ここで金融パニックが起きる可能性も十分ありますので、本来であれば是が非でも避けるべき問題なのですが、今の政治・国民の舐めた姿勢を見るかぎり、この危機は不可避でしょう。

次の貸し手は、海外投資家か日本銀行

この危機が訪れたとき、国には一体誰が貸してくれるのでしょうか。普通に考えれば海外市場に委ねることになる訳ですが、海外投資家から借りるのであれば、まぁ金利1%で貸してくれるわけはなく、7~10%ぐらいまで跳ね上がるでしょう。

そして、この金利上昇によって、大きくは2点の問題が生じます。

  1. 国の国債返済利息が100兆円ぐらいになる
  2. 銀行が持っている国債の時価が大きく下がる

2は、時価会計のままだと日本中の金融機関が破綻することを意味します。まぁこれについては国際会計を無視して簿価評価にするなどによってなんとか避けられるかもしれません。しかし1の方は打ち手がありません。
現在の国家予算は税収が40兆円で支出が90兆円ですが、この支出が160兆円ぐらいに膨れ上がります(利子返済は30兆円→100兆円として)。この支出を賄うためには、120兆円の国債を発行しないとならなくなり、まさに自転車操業の最後の姿です。これだけの金額になると海外投資家も貸しようがありません。
結局貸し手は「日本銀行」以外いなくなり、日本銀行による国債引き受け以外の手段は無くなります。

日本銀行の国債引き受け=インフレ

日本銀行の国債引き受けとは、要するに100兆円の借金を日本銀行が貸してくれる(現金を刷る)ということです。
これが始まると、国内では溢れかえるお金と「日本円に対する不信任」が合わさりパニック含みでインフレが進行します。インフレのスピードは、Goodケースで10~20%ペース、Badケースだと100%以上。正直インフレスピードは読みきれません。

インフレは国民に多大なるダメージを与えますが、仮にこのインフレによって例えば物価が5倍まで上がった状況を考えると、

  • 税収は5倍(200兆円)
  • 為替は1/5(1ドル400円)
  • 現預金資産の価値は1/5

となり、日本国家の財政は改善します。また、円安によって経済が活性化する可能性もあります。当然、犠牲者は「日本円・日本国債を持っていた人」です。以前に書いた税金だろうとインフレだろうと同じ事というのはこういう意味です。

危機(インフレ)に備えて

危機(インフレ)に対する備えは、「日本円を信頼しない」と考えれば答えが出ます。外国通貨、株、土地、モノ(コモディティ)あたりが回避場所になるでしょう。
ただ、ドルもユーロも盤石ではありませんし、株も金融パニックと共に下落する可能性大、土地も多額の課税される可能性があり、コモディティはすでに高騰、といったそれぞれの課題がありますから、2~3割のダメージは当たり前だと割りきることが大切になるでしょう。

というわけで、にわかには信じられないような危機は確実に近づいており、避ける方法もほとんどありません。危機になった時、最も大切な能力は機動力であり、実は私なんかよりも、デイトレの皆さんが生き残るのかもしれません。