ブログの記事でしたが、成長株に関する考え方として重要なので、ウェブページにします。私がどんなことを考えて「割安株ではなく、成長株」を選んでいるかを改めてまとめます。

株にはランクがある
私がバリュー投資から成長株投資にシフトしていった大きな理由の一つが、「株式市場は企業の成長力によって、ランクが分かれている」と気づいたことです。これは私の感覚的なものですが、株のランクは概ね4つに別れていて SとCでは8倍ほど差があります。


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これらの差は株式が3~5年の業績を織り込んでいるという理論からある程度説明がつきます。例えば20%成長の株Sは、5年で2.5倍ぐらいに成長しますが、5%成長Aだと1.3倍程度にしか成長しません。これで概ね2倍の差になります。
この3~5年織り込んでいるというロジックを直接信頼しているわけではありませんが、とにかく「ランクがある(バラつきがある)」ことは間違いなく、これに気づいたことで戦略が変化しました。

Bの株だけ持つと地味な成長しかしない
株の評価がこれだけダイナミックに広がっていると理解すると、実は配当・ROEといった企業の成長を享受しているだけでは不十分だと気づきます。バリュー投資視点が強いとどうしてもBランクの株(PER10、配当5%ぐらい)を買いがちだと思います。
もちろんBランクかつ良い企業であれば、極めて安全に年5%の利益(株価横ばい)を得ることができるでしょう。しかし実は、一番パフォーマンスが上がるのは「ランクのズレが修正された時」で、これが起こると株価は2倍になるのです。で、あればバリューの視点を持ちつつ、この「ズレの修正」を目指そうと考えるようになったのです。

B⇒AよりもA⇒S
「ズレの修正」戦略を取る場合、主な戦略はB⇒A(Aの実力のBの株を持つ)か、A⇒S(Sの実力のAの株を持つ)の2つがあると思います。バリュー投資家の感覚ではB⇒A戦略の方が安全で良いように見えますが、私はA⇒S戦略の方が優秀だと思っています。
「ズレの修正」が起こるトリガーは一言でいえば「サプライズ」です。「あれ、この株すごくない?」そんな評価を受けると、株価は急上昇します。
実力がSの株は、普段の業績でさえ20%増益ですから、単なる業績発表ですらサプライズにみられがちです。またちょっとしたグッドニュースも、それのお陰で20%成長になったように見られたりします。つまりは全てのニュースがサプライズになりやすいのです。
ところが、実力A程度だと、業績を達成しても「まぁ頑張ったね」ぐらいに評価されてしまい、株価が動かないことが多く、2,3年増収増益を重ねてやっと市場にAランクだと認められるなんてことが普通です。
また、もう一点単純なメリットとして、企業成長力の視点もあります。Sの株は仮に「ズレの修正」がなかったとしても、20%成長します。Aの株なら5%しか成長しません。この差もバカにできません。
つまり、しっかりとした企業分析のもと「Sランク」であることがハッキリすれば、ズレの修正が無くても20%は成長、ちょっとしたサプライズで2倍になるのです。

Sになってもしばらく保有する
戦略がうまく行ってA⇒Sになった場合、すぐ売却するべきかは悩ましいところです。頭で考えるとSになった株を売却してまた同じ戦略をひこうと思ってしまいます。しかし実際にはA⇒Sといった株価に勢いがつくと、Sを越えてバブルレベルまで短期間で伸び、どの株よりも高いパフォーマンスを生み出すことが多いのです。
邱永漢さんの名言に「2倍になったら半分売ってあとはタダ株として保有しろ」というのがありますが、この現象を理解されているのだと思います。私もA⇒Sになったあとは、基本的にしばらく保有し続けることにしています。

成長に対する神経質さが求められる
成長株投資の際、一番怖いのは企業の成長の見立てを誤ることです。見立てに失敗すると株価が半分になります。ですので成長株投資の際には、バリュー投資よりも成長に対する神経質さが強く求められます。

バフェットさんは「グレアム8割、フィッシャー2割」と仰っていますが、私の投資スタンスも同じつもりです。成長、ビジネスモデル、割安。この考え方をベースにし、少しだけ成長に力点を置く。Sランクの株をAランクの価格で買う。そんな投資スタンスです。