安倍さんが(やや人気取りの施策として)携帯電話料金値下げ指示を行いました。
首相の携帯料金引き下げ検討指示、大手3社反発

今後、携帯電話料金や3大キャリアの行方はどうなるのでしょうか。
 

値下げ指示より競争促進

国ができる値下げ促進策には

  1. 直接的な値下げ指示
  2. 競争促進策
の2つの方向性がありますが、その効果は大きく異なります。

1の値下げ指示の場合、当然ながら企業は素直に値下げを実施しません。どの企業も「値下げしたように見せかける施策」を必死で考えるでしょう。企業収益の生命線である価格をそんな簡単に下げられるはずがないのです。しかし一方で、テコでも動かないはずの価格が「他社の値下げ」といった些細な出来事であっという間に下がります。記事 競争が価格に与える力は想像以上に大きいのです。

現在日本では2に関する様々な施策が導入されています(MVNO、SIMロック解除、MNP、2年縛りの是正など)。これらの施策については私は肯定的に捉えていますし、特にMVNOは競争促進に大きく寄与しはじめています。

MVNOは安かろう悪かろう、ではない

3大キャリアとMVNOの大きな違いはそのコスト構造です。通信キャリアは固定費型、MVNOは変動費型であり、当然有利なのはMVNOです。通信キャリアは莫大な投資をして通信回線を敷設しますが、MVNOは会員が増えたら更に回線を借りればよく、大きな赤字を背負う可能性が極小化できます。「キャリアは適切な価格で回線を貸さなければならない」という縛りによって、この有利な状況を担保されています。

現状のMVNOは加入者増など理由もあり時間帯によっては回線逼迫などが起きていることから「MVNOは安かろう悪かろうだ」と抵抗しようとする意見があります。しかし、本質的には回線品質には差はありませんし、むしろこういった認識はキャリア側に不要な競争力(と利益)を生むことになります。私は競争促進の観点から多くの人がMVNOへ移ることを願っています。(私も既にMVNOを使っています)

キャリアの利益率は半減と予想
最後に投資の視点です。キャリアの営業利益率は未だに20%近くありどのキャリアも莫大な利益をあげていますが、今後は概ね半減する(10%前後)だろうと予想しています。競争によって売上は2~3割減ぐらいになるものの、販売奨励金カットなどのバッファがあるため営業利益率は半分ぐらいで落ち着くというイメージです。また一方でMVNO側についても、まだまだ群雄割拠状態のためしばらく利益は安定しないように思います。(ある程度勝ち負けが決まったあたりで、勝ち組に一気に利益が生まれる可能性はあります)投資するにはなかなか難しい市場です。

というわけで、競争と価格と利益を考える面白い題材だと思い、少しつっこんで考えてみました。