企業分析:6235オプトラン(3.5)

石田四成さん、大変おまたせしました。
それではオプトランについての議論をお願いします。
■結論
iPhone/スマホの顔認証機能ニーズにより目覚ましい成長を遂げる。ここ2年程度はスマホ他機種への広がりなどが想定され順調な成長が期待できる。一方で、3年後あたりからは競合参入懸念や次の柱がうまく立ち上がるかが未知数で不安が残る。評価は3.5。


■基礎情報

GMOクリック証券の分析を使います。
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売上構成

・その他IR資料など
みんなの運用会議の記事

■ポイント

Step1:業績の確認

・17年12月に上場。2017に2倍以上の売上成長、3倍以上の利益成長。
 →何があった?
・B/Sは並。2017の上場でキャッシュと純資産の部が厚くなった。

Step2:事業の確認、ビジネスモデルは?

・光学薄膜形成装置を主力とする。
・2017の急成長の理由は、iPhoneへの採用によるもの(上記記事より)。ガラスへの薄膜形成技術などで高い技術があり、その他転用の可能性が広がる。

Step3:株価の確認

予想PER28.7でやや割高

■石田四成さんへの質問

①今後の成長イメージについてどのように考えていますか。
②会社の強み・弱みについてどう考えていますか。
③その他聞きたいことがあればどうぞ

『企業分析:6235オプトラン(3.5)』へのコメント

  1. 名前:石田四成 投稿日:2018/07/18(水) 14:44:25 ID:dce6ff254 返信

    まとめた時間を取れないので、一つずつコメントさせてください。
    まず、①の成長イメージについてです。
    オプトランの2017年12月期の有価証券報告書によると、appleとの取引が184億円、成膜装置販売額の55%と過半数をしめています。2017年度の急成長はこれが主要因だと考えます。オプトランは装置販売だけではなく、光学薄膜の製造ノウハウや技術サポートまで、通常の保守点検を越えたソリューション提供型のサービスを売りにしているとのことなので、appleとの関係はスマホが世の中からなくならない限り継続すると思います。
    他方、appleを追従するサムスンやファーウェイ、その他の中華系スマホメーカーも複数のカメラや赤外線センサを搭載するなど、今後も需要の強さはオプトランの成長速度を上回る速さで拡大すると思います。オプトランは上海に工場を増設するなど、積極的な規模拡大の対策を打っていますし、社長をはじめとする経営陣が中国出身であることからも、中華戦略にも長けていると思うので、年率20% から30%くらいの成長は充分可能性があると思います。中長期的には自動運転技術が成長のドライバとして下支えすると思います。ただ、そうは言っても半導体製造装置なので、永続的に装置を買い換えるとは考えにくく、買い替え需要と維持・保守点検費用だけで、企業として成長路線を維持できるのか、そのあたりに不安を感じているので、すぽさんのご意見を伺いたいところです。
    余談ですが、みんなの運用会議というサイトで山本潤氏が詳細なレポートを書かれてます。完全な主観ですが、質実剛健そうな社屋とか、堅実な経営者なのだろうと想像します。

  2. 名前:石田四成 投稿日:2018/07/18(水) 22:25:27 ID:56f29f4e5 返信

    ②会社の強みについて
    繰り返しになりますが、オプトランの強みは成膜装置販売と成膜技術サポートのアフターサービス、エンジニアリング視点でのサポートに強みがあると思います。また営業拠点を中国、台湾、アメリカにも起き、国内もしくはapple一社に強く依存しすぎることなく、成長できる可能性が高いと考えます。光学薄膜製造装置のシェアに関しても2012年にトップシェアを占めて以来、その地位を維持していることからも、技術力、ソリューション提供力は折り紙つきと考えます。今後、例えば自動のフロントガラスなど複雑な形状のガラスに光学薄膜フィルタを成膜する事例が増えることを考えると、成膜装置のキャパシティは成膜する部品サイズに依存するため、スマホやカメラレンズ部品以上に装置台数や規模が拡大するでしょうし、複雑な形状に精緻な成膜をするためには益々高度な専門性が必要になりオプトランの強みが発揮される可能性があると思います。
    ③私はどちらかというと、オプトランの技術そのものや光学薄膜製造装置の需要予測など、ミクロな視点で考える傾向があるので、バイアスがかかっていると思ってます。財務諸表や数字が苦手なので、そのあたりもぜひすぽさんのご意見を伺いつつ理解を深められればと思います。

  3. 名前:すぽ 投稿日:2018/07/19(木) 14:39:00 ID:589fc6ab0 返信

    石田四成さん、ありがとうございます。
    私がこの企業をみて一番感じたのは「市場のちょっとしたニーズへの依存となる不安」です。
    オプトランに限らず、iPhone/スマホによって隆盛を極めた企業は山のようにありますが、選択される技術が変化すればあっという間に業績が悪化します。
    山本さんのレポートにも書かれていましたが、今回の飛躍は、iPhoneをアルミ筐体からガラス筐体に変えたことや新機能として生体認証機能の追加しようしたことで、難易度の高い薄膜形成技術が必要になり、オプトランの商品が使われたわけです。
    1.高度な技術を求めるニーズがある
    2.それを実現できる競合がいない(技術の優位性がある)
    上記1,2がともに揃ったとき”だけ”、今回の飛躍がうまれるということですよね。
    (続きます)

  4. 名前:すぽ 投稿日:2018/07/19(木) 14:40:02 ID:589fc6ab0 返信

    ■①について
    今後2年程度のニーズの見方は石田さんと変わりありません。サムソンや中華系スマホメーカーがiPhoneを追従する可能性が高く、その際にはオプトランの商品を使わざるを得ないという流れになると思います。
    ただ3年後、5年後という視点では市場ニーズの変化(高い薄膜形成技術が必要か?)も読めませんし、競合も当然追いかけてくる中、Appleなどスマホメーカー側も2社以上と契約するよう進めて来るはずです。その際はコスト競争を余儀なくされ、現在の利益水準が確保できるとは限りません。
    そう考えると3年後にどうなっているかというのは正直読めません。怖い未来もありえます。
    ■②について
    強みが機械だけではなくパラメーター設計も含めたノウハウにあるという、会社のコメントに対しては異論はありません。ただ今後の利用シーンについては、あくまで希望的観測の範囲であり、現時点で株を買う理由にすべきではないと思います。おっしゃるような商品が生まれてくる流れは理解できるのですが、前段で書いた「1と2」が本当にそろうかは別問題です。
    ■③について
    私も財務諸表に詳しい方ではありませんが、受注残高を先行指標として追うぐらいはやりたいですね。
    全体を通しての感想は、石田四成さんの予想自体は違和感は無いのですが、「1と2」が揃うかという視点が必要かなぁと感じました。
    いかがでしょうか。

  5. 名前:石田四成 投稿日:2018/07/20(金) 07:51:13 ID:2d43e4b3c 返信

    そうですね。私の中でも、この会社、ビジネスが今後10年くらいのスパンで持続成長できそうかどうかが興味の対象なので、すぽさんのコメントはしっくり来ます。
    昨年度の売上比率はスマホに寄るところが大きく、確かにその点だけを見ると「1と2が揃った」だけなのかもしれませんが、スマホ以外のカテゴリも程度差こそあれ概ね成長傾向にはあります。またLEDやレーザー、赤外線イメージセンサを使った目に見えない光を使った製品やビジネス、IOTのような世界はもう少し長いスパンでも成長基調にあるように思うので、光学薄膜製造装置そのもののマーケットも控えめに見ても維持よりは拡大はすると思います。
    あとは競合他社に比べて技術力、価格競争力があるか?ですが、オプトランのような比較的若い会社が、アップルのような大企業から受注を受け、かつ利益率も上向きであることから相応の実力があり、価格交渉力もあると判断できると思います。直近の受注残高も460億円と堅調です。
    成長を急ぎすぎると、需要のしぼみがあったときに対応できずに失速のリスクも増えますが、適度な成長曲線を描けるのであれば、当面の成長は見込めると思うのですがいかがでしょうか。

  6. 名前:すぽ 投稿日:2018/07/21(土) 13:18:00 ID:589fc6ab0 返信

    石田四成さん、ありがとうございます。
    方向性は近いと思いますが3年目以降の捉え方は少し違う印象です。3年目以降は「わからない」というのが私の基本期な見方です。
    iPhoneによる増収によって注目されたわけですが、そこまでは業績は概ね横ばいが続いていました。技術的強みは以前からあったのにかかわらずです。
    「横ばいが続いていた理由」について石田さんはどう考えてらっしゃいますか?
    そのあたりがポイントな気がしています。

  7. 名前:石田四成 投稿日:2018/07/21(土) 18:09:01 ID:e73bebc80 返信

    一言でいうと、機が熟していなかったのだと思います。スマホがコモディティ化して、アップルを初め、どこのメーカーもハードとしては似たりよったり。但しアップルもサムスンも価格競争力では中華系メーカーと勝負できないため、ハード進化の一つとしてカメラ高機能化競争が加速。これがオプトランにとって追い風になった。もう一つは自動車の進化。テスラやgoogleに代表されるように自動運転を目指す動きが加速してきたことも大きいと思います。

  8. 名前:すぽ 投稿日:2018/07/23(月) 06:58:00 ID:589fc6ab0 返信

    石田四成さん、ありがとうございます。
    私の捉え方は「機が熟してきた」ではなく「たまたま発掘された」です。
    過去記事に「新事業がなんだかうまく行っちゃてます」という記事を書きましたが、鉱脈の近くにいることと、鉱脈を発掘したことは全く違うことだと考えています。
    http://www.spotoushi.net/archives/57336661.html
    オプトランで言えば
    ・顔認証による高度技術ニーズは掘り当てた
    ・その他は鉱脈の近くにいるだけで、掘り当ててない
    ということではないでしょうか。
    そう考えると、ここ2年は顔認証の他社追従が期待できる一方で、3年目ぐらいからは顔認証ニーズの競合参入も気になりますし、その他の柱もない。このような不安があります。
    いかがでしょうか。

  9. 名前:石田四成 投稿日:2018/07/23(月) 20:32:01 ID:d8b8a272b 返信

    通信分野に必要な光学薄膜技術(DWDM)を磨いてきたが、スマホ、顔認証システムに採用された。一見、関連しないように見えますが、技術難易度の高い光学フィルターの設計/製造という点では共通部分があります。
    もう少し言うと、両分野ともにレーザーを取扱うシステムで、限られた信号を外乱ノイズからどれだけ効率よく抽出できるかが肝になると思います。外乱を減らし特定の波長だけを選択的に取り出すフィルタリング技術が将来の飯の種になる、なのでその成膜装置と成膜ノウハウ、ソリューションを磨くことが重要。その先見の明がオプトランにはあったのだと思います。
    もちろん、そこにスマホの顔認証システムという鉱脈があると予想していたかは知るすべもないですが、鉱脈がありそうな技術分野の技術を磨き鉱脈を探り当てた。同じ「たまたま」でも、ある種、必然性が伴った「たまたま」だと思います。

  10. 名前:すぽ 投稿日:2018/07/23(月) 22:39:00 ID:589fc6ab0 返信

    石田四成さん、ありがとうございます。
    「偶然」という表現を使うとどうしても否定的に取られてしまいますね。すいません。
    私が伝えたいのは「鉱脈を掘り当てた」と「鉱脈を掘り当てるだろう」は区別すべきだということです。
    オプトランにとって、スマホは「すでに掘り当てたニーズ」だと捉えていますが、その先については「まだ掘り当てていない」と認識しています。
    株式市場ではテーマ株しかり「まだ掘り当てていない鉱脈」に対して過大評価されることがあります。私は「中長期投資であれば、まだ掘り当てていない鉱脈は評価すべきではない」というスタンスをとっています。
    いかがでしょうか。

  11. 名前:石田四成 投稿日:2018/07/23(月) 23:36:21 ID:b8c9dfba3 返信

    一般的に不確定な未来に対して希望を抱きがちになるのは確かにそのとおりですね。私もその傾向があります。。銘柄に惚れるな、は株の格言ですし、良い技術だから株価があがるはずだ、と考えるのはリスクがあるというのは全く同意です。勉強になります。

  12. 名前:すぽ 投稿日:2018/07/26(木) 10:17:20 ID:589fc6ab0 返信

    石田四成さん
    それでは結論を書いてみましたのでご確認ください。問題がないようであれば確定します。よろしくおねがいします。

  13. 名前:石田四成 投稿日:2018/07/26(木) 22:26:24 ID:1526f18eb 返信

    はい。特に異議はありません。有益な議論、ありがとうございました。また気になる銘柄があった際はエントリーしますので、議論させてください。

  14. 名前:すぽ 投稿日:2018/07/27(金) 09:33:02 ID:589fc6ab0 返信

    石田四成さん、議論ありがとうございました!
    二人っきりでの議論になってしまったのがちょっと残念でしたが、楽しい議論をさせていただきました。またよろしくお願いしますねー。