老後2000万円のニュースが話題となり投資に関心を持つ人が増えているようです。
これを機に若い世代の人たちが投資に関心を持ち、実際に株を買うようになるといった流れはとても良いと思っていますが、その一方で、定年を迎えたような方が「退職金も入ったので、、、」といって投資を始めようとすることに対してはやや否定的です。

投資脳へのハードル
僕が尊敬する邱永漢さんは、自分のホームページに「ハイハイQさんQさんデス」というQ&Aコーナーを持たれていました。株、不動産といった様々な質問にいつも小気味よく回答されるのですが、たまに60代ぐらいの方から
「今から投資を考えているのですが、どうすればいいでしょうか」
といった質問がくると、突然雰囲気が変わり、
「投資を学ぶのにはもう遅いので、貯金の範囲内で暮らしてください」
と厳しい返信をされていました。邱さん回答
邱さんは、吸収力や柔軟性が衰えたお年寄りでは、投資脳に変わるためのハードルを超えられないと判断していたようです。

2つの大きなリスク
邱さんの考え方に僕も基本的に賛成です。お年寄りが投資をスタートしようとすると2つの大きなリスクを抱えることになると思っています。

①金融業者/詐欺にカモにされるリスク
②感情に振り回されるリスク(プロスペクト理論)

①金融会社/詐欺にカモにされるリスク
お金の世界は情報/知識格差をベースに、業者がカモを探している世界でもあります。

・手数料が高い金融商品への勧誘
・満室になるわけがない不動産投資
・高利回りを謳って預かった金を盗む詐欺(ポンジスキーム)

お年寄りにとって身近な銀行や証券会社は、高額な手数料の商品しか基本的に紹介せず知らぬ間に法外な手数料を払うことになりますし、不動産投資を勧めてくる業者は、空室のリスクを言わずに建築させて儲けてあとは逃げようとします。(かぼちゃの馬車、レオパレスなど)。
そして「元本保証で高利回り」を謳ってくる詐欺事件もあとを絶ちません。
これらの業者に関わると老後が窮地に陥りかねません。

②感情に振り回されるリスク
また、投資の基本を知らずに投資商品を持つと価格変動の波に耐えられません。プロスペクト理論が示しているように、

・買値を下回ると、塩漬けにしたくなる
・買値を上回ると、早く売りたくなる

という感情に振り回され、資産の行方が気になって仕方なくなります。参考記事

本来であれば「資産の一部を株式(インデックスファンド)にすればよい」とアドバイスしたいところなのですが、最低限の投資脳は必要であることを考えると、そもそも投資の世界に立ち入らせない方がマシなのではないかと思うのです。

本の題名に「~は止めなさい」とつけると売れると耳にしました。ですので、こんな題名の本を出せば売れるのではないかと思い、この記事の題名につけてみました。

「年寄りが投資を始めるのは止めなさい」

・・・・うーん、こんな本売れないな。