このブログではROEについてほとんど触れたことがありません。
ROEは株主資本の効率を直接的に図る指標(利益/資本)であり、株主にとって重要な指標にも見えますが、私は分析には使えない指標だと思っています。

ROEが高いから良いとは限らない
第1に、ROEはそもそも高低どちらが良いのかよくわからない指標です。一般にはROEが高いほうが良いとされますが、過小資本でつぶれやすい企業なのかもしれません。また、ROEが低いほうが自社株買いなど資本政策によるROE向上余地が大きいという可能性もあります。

利益と資本はほとんど関係ない
第2に、資本と利益の関係を考えることに対してナンセンスを感じます。
ROEという指標の根底には「利益を生むためには資本が必要」という考え方があり、「資本があればあるほど利益が増える」と思われています。しかし実際には上場企業で資本が足らない例はほとんど見たことがありません。今まで様々な企業を分析してきましたが、好調の企業で銀行から借入金が限度額いっぱいになっている企業はほとんどありません。(FPGぐらいですね)
利益が生まれるステップは

①ニーズがある
②ニーズを満たす商品供給力がある
③競争の中で価格が決まる
④企業に利益が生まれる

となりますが、②はたいてい供給(資本)過剰です。大切なのは①と③であり、ここが私の投資軸「成長、ビジネスモデル」と一致しますし、①と③を分析するならPL・営業利益率を見たほうが適切です。

資本政策は個人投資家がコントロールできない
ROE向上のための利益増以外の方法は、自社株買いなどによって資本を減らすことです。しかしこのような資本政策は個人投資家ではほとんど関与することができません。資本政策はいくら考えてもバクチの域を出ません。

結局ROEの高低から分かるのは、継続的に儲かっているかどうか程度のことであり、それを知るには財務3表の方がはるかに優秀です。私はROEは株主が経営者に圧力を掛けるぐらいにしか使えない指標だと思っています。