前回の記事の続編です。前回の記事では「火種の時点で陸に上がれ」と書きましたが、(私も含めた)中長期投資家にとっては違和感がある考え方ではないでしょうか。
「ククク・・、今・・退がった・・・」
ではありませんが、中長期投資の基本はホールド&我慢であり、株価下落はバーゲンセールであるはずです。

・通常の下落:ホールド&ナンピン
・火種の発見時:素早く売却
矛盾とも言えるこの二つの方針をどう捉えたらよいのでしょう。

延焼(連鎖)に気をつけろ
考え方が正反対のこの二つを分けるものは「延焼(連鎖)の有無」です。
延焼型下落

通常の下落、例えば四半期決算計画のちょっとした未達などは、成長の見通しとビジネスモデルが磐石なら企業価値としての影響は大したことはありません。株価が過剰に反応して下落しているなら、そこはナンピンチャンスと言えます。
一方、火種→延焼となる場合は様子が異なります。火種の時点では通常の下落とほぼ同じ形をしていますが、火種をもとに延焼(連鎖)が始まると、延焼分だけ企業価値が余計に下落します。しかもこの延焼の大きさは火種時には全く見えないため「気付いたら企業価値が大きく毀損していた」ということが起こりえます。こう理解すると火種時は「株価下落を耐える」より「逃げる」方が良いと考えざるをえません。
リーマンショック時にはこの延焼(連鎖)について色々な議論がなされました。個人的には「雪崩と同じメカニズム、べき級数的なもの」として捉えています。

延焼(連鎖)のパターン
延焼(連鎖)のパターンとして現在捉えることができているのは以下の2つのパターンです。

  1. 信用収縮型(貸し借りをベースにした破綻の連鎖)
    こちらは前回やこれまでの記事で書いた通りです。ムード程度であれば大した連鎖は起きませんが、金融機関破綻など「貸した金が戻ってこない」事実が連鎖を引き起こすと考えています。
  2. ネット炎上型
    今回新たに学んだことです。ネットの拡散というよりも「粗探しが繰り返し行われる」ことが延焼(連鎖)を引き起こします。最近のニュースを振り返ると全てこのパターンですので、今の時代は「炎上は逃げろ」というのが妥当なのかもしれません。

中長期投資の基本スタンスは「成長、ビジネスモデル、割安で買ってあとは放っておくだけ」だと考えています。今回のPCデポ騒動も5銘柄程度に分散していれば致命的なダメージにはなりませんので、ただ受け止めれればいいというのも一つの考え方です。ただリーマンショックの経験者として、「延焼(連鎖)」について向き合って考えてみたい思いややこしい考え方を取り入れようとしています。

ご覧の通りまだまだ途上で「火種で降りる」はまだ上手く出来ませんが、次の機会を見極められるよう頑張ります。